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そして私たちはひとつになる——————
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うた
あなたへ捧ぐ、地獄からの愛の詩篇
融国
皇紀2605年―――銃後をも巻き添えにした酸鼻極まる戦いの末、精強なる将兵達は虚しくも骸と化し、
世界に威光を知らしめた誉れ高き兵器は鉄屑となり、神でさえ人となった。
そんな時代の片隅に、灯した瞋恚の炎を絶やさぬ者たちがいた。
決死の覚悟を示し、滅びの運命に抗う者がいた。
元帝国陸軍大尉、桐島紘一もその一人であった。
憂国の至情に燃える同志を率いて、桐島は叛逆の狼煙を上げる。
かつて抱いた愛国の忠義が妄執へとすり替わり、もはや自らが帝国の亡霊と成り果てていることに
気づかぬまま、青年たちは命を華と散らしていくのだ。
そうして多大なる犠牲を払い、怨念の先に邂逅するは――元敵国軍大将の息女、
アメリア・ハルゼー少尉。
輝くばかりの気高さを持つ少女と護国の鬼と成り果てた男。
互いに譲れぬ矜持と執念、その相剋の末に、ふたりは無窮の地獄へと堕ちていく。
昏き闇の中には国の為に在る軍人など何処にもいない。あるのは、狂った獣と壊れゆくひとりの少女。
繰り返される悪夢の果てに、何を見るのか――――――
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